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日本の原風景自然遺産巡り「空に最も近い小海線」紀行
7月26日(日)新宿駅、青空の下8時発松本行きのあずさ5号は定刻に発車です。15分前の17時45分の集合時間には、余裕をもって12名全員が揃い(1名は立川駅乗車)タイミング良くドアがオープン。いつものように慣れた手順で座席のレイアウト完了です。当旅行は集合時間内に全員が揃うのが常なので一安心です。小渕沢到着前には、途中合流のMさんが人なつっこい笑顔を見せて勢ぞろいです。
今回の小海線の旅では、31駅、全長78.9kmを、八ヶ岳や浅間山の稜線、並行して流れる千曲川など変化に富んだ景色を眺めながら、途中の清里駅、さらに終点の小諸駅での散策も織り交ぜて巡るという目論みです。
ところで、標高の高い山の麓なのに海と名のつく駅が4か所あります。千曲川との関連が深く、その氾濫により大小の湖が生まれ、海への憧れから小海とか海瀬という名が残されているとのことです。
写真2.jpg小海線最初の散策地は清里。駅前は意外に静かです。まずはピクニックバスを利用し、富士山・八ヶ岳・などを眺望できるルートと清里北部ルートを60分余りで周遊し、一旦駅に戻り清泉寮に徒歩で向かう選択です。
写真3.jpg 写真4.jpgしかしながら、この清泉寮への道程は思ったより長い上り坂が続き、しばし秩父の巡礼状態の様相です。さらにマイカー族が多いせいか清泉寮のレストラン・ショッピングモールは牧歌的な八ヶ岳山麓の風景とは裏腹に意外な混雑振り。1時間に一本の列車に遅れるわけにもゆかず、困ったときのカメラマンNさんや、統率力のあるI女史頼み、臨機応変なグループ編成で、タクシー組と健脚の徒歩組(5名)に別れて駅に戻り、後行程に支障はありませんでした。感謝です。
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さて、13時40分に再び小海線、全員が座れる程良い込み具合。小諸まで2時間弱のローカル・のんびり旅です。それにしても沿線には、最大・最高・最長といった「日本一」が多くあるのには驚きです。
■日本初
・小海線:日本初(世界初)のハイブリッド列車。2007年7月から営業
■日本最大
・臼田宇宙空間観測所のパラボラアンテナ:直径64m、1980t
・白駒の池:標高2100m以上の高地にある湖としては面積が日本最大(約11万㎡)。秋には紅葉の名所(八千代駅)
■日本最高地点
・本沢温泉:八ヶ岳連峰硫黄岳の山中標高2100mにある一軒宿。バスで終点下車徒歩3時間、原生林の中。密かに制覇を狙う輩がいる?との情報。(小海駅)
・野辺山駅:JRの中で一番標高の高い場所にある駅。1345.67m、1~7までの数字の内2だけが無い「2抜けの野辺山駅」
■日本最長
・千曲川:甲武信ヶ岳(川上村)を源流とする千曲川は新潟県に入って信濃川と名前を変える。全長367km(内千曲川は214km)は日本最長。
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さて、浅間山の噴煙が目立つようになると、そろそろ列車は終点小諸駅、15時32分の定刻着です。改札口にはガイドさんがお待ちかね。
見学コースは三の丸から入場し約60分の予定です。小諸城の原型は信玄公の重臣山本勘助と馬場信房が城郭を整備し、総合的な大城としました。千曲川の断崖の深い谷を空堀として利用、城下町より低い独特な珍しい穴城と言われ難攻不落の城でした。懐古園は戦国ロマン漂う城址と、文学の香り漂う文化と芸術が織りなす、心洗われる不思議な空間なのです。
■三の門
今や懐古園の正門にして象徴。1742年に発生した大洪水で流され明和2年(1765年)再建される。懐古園の扁額は徳川16代当主徳川家達(いえさと)が書いたもので、国重要文化財。
■小諸義塾記念館
私塾小諸義塾にかかわる資料を展示。塾長は木村熊二で島崎藤村も教鞭をとっていた。記念館右脇に惜別の歌の歌碑がある。
■南丸跡
ほぼ垂直に築かれた石垣には、木村熊二のレリーフがあり、領主が通ると鳴いたと伝えられる鶯石もある。
■懐古神社
    明治13年4月に小諸藩旧士族によって創設された神社で、懐古園の碑は同年に懐古園が作られた時の記念碑である。碑の題額は勝海舟による。
社殿の傍らには鏡石があり、山本勘助が愛用したといわれている。己の姿を映し何を想ったのだろう。
■藤村記念館
藤村の小諸時代を中心とした作品・資料・遺品を展示。傍らにそびえる大ケヤキは樹齢推定500年! 根本には動物が出入りしている痕跡があり、サルのすみかと書かれていて、Mさんが近づいて見てみたが、確認できなかった。
■水の手展望台
千曲川が遠望できる。今の時期、樹木が生い茂っていて分かりにくいが、よくよく見ると、なるほどS字型に曲がりくねった千曲川。展望台の直前に建つ藤村自筆の千曲川旅情のうたを詠んでから登るのは言うまでもない。
    ここでは、ガイドさんが草笛で「椰子の実」など数曲を披露された。天守台近くに、22年間座禅をして草笛で小諸を歌った横山祖道にちなんだ「草笛メロディ装置」の草笛を聞くことができるが、ガイドさんの方がうまい。
    なお、「椰子の実」の歌碑は藤村記念館敷地に建っている。
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写真17.jpg熱心なガイドさんの「もう少し時間があったなら・・・」との表情を垣間見ながら、小諸駅改札口でお別れ。長野経由北陸新幹線で帰京となります。指定券は売り切れとの情報は分っていて心配しましたが、待ち時間で買い物する人、早目に乗車口に分散して並ぶ人の連携よろしく全員着席でき、余裕をもって東京駅に定刻19時27分到着です。
八重洲口地下街に2年ほど前に新装なった「噺屋」という蕎麦・和風居酒屋さんがあります。地下街なので若干迷ったりしましたが、ほぼ予定通り辿り着き、女将自らのお出迎え(何てたって40会仲間ですから)。
ずいぶん洒落た高級感あふれるお店のレイアウトに感心しながら、気心の知れた楽しいひと時を過ごすことが出来ました。
今回はグループとしてのまとまりに随分助けられました。 深謝!

日本原風景自然遺産めぐり(7月コース)
「空に最も近い小海線の旅」
▽日 時 :2015年7月26日(日) 8:00~
▽集合場所:JR新宿駅
▽天 候 :晴れ
▽参加者 :13名
▽コース :中央線・小渕沢駅⇒小海線・清里駅⇒小海線・小諸駅
⇒北陸長野新幹線・東京駅

[ 紀行文 ] 小川 彪
[写真提供] 中段和宏・小川 彪
中川 淳(特別提供・ひまわり)

 

 

 

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