秩父巡礼の旅も11月コースでいよいよ最終回です。思えば少数のアドべンチャー派を自認する面々が、旅先で偶然目にした「本年は午歳総開帳の記念年」という記事に目移りし、我ら午年生まれ故12年先までは待てない。ならば是非行かねばならぬ、とばかりに立ち上がったのが発端でした。
よくぞ8ヶ月間にわたり、もの珍しい徒歩主体の巡礼の旅、無事に願いが叶い(結願)感無量といったところです。体験者リストには15名、内34ケ所すべての納経者は4名(男性2名・女性2名)やむない事情により1回だけ不参加となり完結できなかった体験者は3名(男性2名・女性1名)となりました。
<34ヶ所納経した4名>
早速11月コース(第6回・最終)のレポートです。
今回は本来なら2日間で巡るコースを、裏ワザを使い(案内人様にも尽力頂きました)ローカル鉄道の乗り継ぎ、タクシーでの移動など駆使した慌ただしい行程となりました。とはいっても万歩計は20万歩を悠に超えたとか・・・
徒歩巡礼の王道に恥じない内容といってよいでしょう。
スタート地点は和同黒谷駅。前半はほのぼのとした里山を横目に見ながらのコースを一時間近く歩きます。途中からは急な上り坂となりほのぼのどころではなくなりました。
<和銅黒谷駅 10;13到着>
<秋の風物 吊るし柿>
前回までは案内人との情報伝達もあり先頭集団をキープしていましたが、今回は中程に位置し前後を目配せしながらの道中です。前方を注視すれば案内人を置き去りにした40会の「上り坂の神」Nさんが先導し、後方に目をやれば取材担当のMさんがシンガリを務めセーフティーネットは確保されています。後方グループでは風変わりな動きのFさん、蛇行しながらの前進です。
<札所1番 四萬部寺 11:10到着 江戸開府に伴い飯能を経て最初に打つことのできる札所として24番から一番にされた>
<紅葉に彩られた境内>
そうそう、上り坂での自転車を操る要領で道幅いっぱいのジグザグ歩行、アイデアマンのFさんならでは発想ですが効率の良し悪しは未確認です。(このコースは札所巡りでは5番目位の難所ということを耳にしたのは後のことでした。)
<急な登り坂道>
<札所2番 真福寺 12:10到着>
昼食は例によって蕎麦屋さんです。予約の時に「10名様ですかァ、他のお客様もぼつぼつ入るのでメニューを統一いただければ助かるんですがね〜」そのお礼の倍返しなのかやたらに多いそばの量、観音様には申し訳ないことですが食べきれない人の続出もやむを得ないことでしょう。
<そば処 坂本庵 13:00到着>
<札所3番 常楽寺 14:05到着>
<梁にある龍のカゴ彫刻の見事さには目を見張るものがあります>
<札所4番 金昌寺 14:30到着 2mもある大草鞋がかけられています。札所の中で屈指の仁王門>
<札所34番 水潜寺 16:30到着>
今回コースの過密行程には、念を入れたスケジュール調整の甲斐あってか驚くほど順調に乗り切ることができました。いよいよ最後の34番水潜寺を目指すこととなりましたが、配車ミスと思われるハプニングを乗り越えて、水潜寺では本堂に入り木魚をたたいて読経を済ませることが出来ました。このことが長い巡礼の旅の締めくくりでもあり感無量で本尊を後にすることになりました。(案内人Sさんには感謝)
東京40会「心のやすらぎ・巡礼の旅」第6回(最終回)
▽日 時 :2014年11月16日(日) 10:00
▽集合場所:西武秩父駅
▽天 候 :快晴
▽参加者 :9名
▽コース :㈰和同黒谷駅⇒四萬部寺⇒真福寺⇒昼食⇒金昌寺⇒常泉寺
⇒秩父駅(12km)
㈪皆野駅⇒水潜寺⇒皆野駅(タクシー利用)
写真 宮野 和佳
<秩父巡礼の旅余話>
▼第一回4月コース「秩父市内の街並みを訪ねて」
冒頭で解説のごとく、拙速の巡礼の旅は準備不足を露呈することとなり昼食は大幅に遅れ、芝桜見物もままならず
さて二回目以降どうしたものかと思案していましたが、「巡礼の旅楽しかったね。次回もよろしく。」との意外な
レスポンス。以降の企画に勇気づけられたことは言うまでもありません。
▼第二回6月コース「秩父路の山村を訪ね歩くコースとSLの旅」
急峻な山道をジャンボタクシーで一巡り。Sさんの後輩は最近同じコースを一泊二日で巡ったと聞きましたが、徒
歩巡礼を目指す我らにとっては唯一の例外のコースとなり、余裕の時間でSL「パレオエクスプレス」乗車を目論
んでいました。因みにSLは全国で12路線運行されていて、関東甲信越では、真岡鉄道・高崎/上越線・秩父鉄道
の3路線とか。又、パレオは2千年前に生息していた海獣パレオパラドキシアの名称。この地方が海の底にあった証
左でもあります。(世界で数体しかない復元像が県立自然博物館に展示されています。/上長瀞駅)
▼第三回8月コース「横瀬川沿いを巡るコース」
本コースでは何と言っても、札所7番法長寺の大きな本堂と「不許葷酒入山門」と刻まれた石標でした。巨大な本堂
(札所の中で一番大きい)は平賀源内の設計。250年前鉱物資源開発の為秩父滞在時に設計図を残していたとのこ
と、何故か四国88ヶ所の86番札所にこの謂われが残されているという。(興味のある方は法長寺に尋ねると教えて
くれます。壮大なロマンです。)
又、石碑に刻まれた文言の意味はHP本文に解説されている通りです。
この出来事があって以降、巡礼に関しては「蕎麦屋は飲み屋である」の標語は死語となりました。
※札所巡りに関しては、40会以外の部外者の同好の皆様からも励まし、アドバイス等が寄せられています。行程上の
ハードさを心配するご意見も少なからず頂きました。(9月コースを追加しましたがそれでも尚)参加いただいた仲
間の協力、案内人様の献身的なサポートなどなど感謝・感謝です。
又、今回の催行を通してアウトドア派の同好の士が意外に多いことに気が付きました。来年に向けては、発起人と
しての各人の提案がまとまりつつあります。ご期待ください。
世話人 小川 彪