第42号・平成26(2014)年7月15日発行
1.同志社大学で「良心学」の講座が始まりました。
2.『大西祝選集Ⅰ」哲学編 の目次と解説
*これは講義の中で紹介されますので、情報提供します。
1.2014年度春学期の講座に「良心学」が誕生しました。
この授業は次の5名の先生が担当しておられます。
小原克博先生(科目代表、神学部教授)
村田晃嗣先生(学長、法学部教授)
木原活信先生(社会学部教授)
内藤正典先生(グローバル・スタディーズ研究科教授)
位田隆一先生(グローバル・スタディーズ研究科教授)
<概 要> シラバスより引用
本講義は、同志社の建学の理念、とりわけ「良心」を中心とした教育理念の歴史的背景を理解した上で、「良心」が現代世界の中で、どのような応用可能性を持ち、また、それをどのように実践できるのかを学際的に探求していきます。また本講義は、創立150周年を視野に入れた同志社が、良心教育の現代的使命を明確にしていくための「良心学」入門となります。
良心教育が同志社における教育の根幹をなしていることは言うまでもありませんが、新島襄が「良心」をどのような意味で使ったのかについては、十分な理解がなされているとは言えません。一般的には、良心碑に刻まれた「良心の全身に充満したる丈夫の起り来らん事を」や、「同志社大学設立の旨意」に登場する「良心を手腕に運用するの人物」という表現くらいしか知られていません。しかし、新島はかなり初期の頃からconscienceという言葉を使っており、「良心」という言葉によって、具体的に何を考えていたのかを整理する必要があります。
そのような学問的作業を踏まえた上で、新島の理念を現代に生かすとするならば、「良心」は現代世界が抱えている諸課題をどのように照らし出すだろうか、という点にまで、本講義では踏み込んでいきたいと考えています。以上の点をまとめるなら、本講義は次の二つの柱から構成されていると言えます。
(1)同志社教育にとって「良心」とは何か(基礎的・歴史的探求)
(2)「良心」は現代社会にどのように適用可能か(応用的探求)
世界の困難な現実と付き合わせる形で、旧来の「良心」理解を鍛え直す意欲的な講義を展開する予定です。
また、この「良心学」の講義が、これから社会に出て行く学生諸君に対し、時代の激流の中にあっても「ぶれない精神的基軸の一つを提供することを願っています。
<概要おわり>
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なお、この授業もYouTubeで勉強することができます。今回も小原先生のお力によるものです。
「授業一覧」は次のURLでご覧下さい。
http://www.youtube.com/playlist?list=PL9TYGgYLVsAlJhMavnq4hJocWX5IGtnrU
各授業のタイトルと時間数が分かります。
「授業用ページ」としてはここから入って、まず、レジュメを取り出して下さい。写真
の右上の「? 良心学02.pdf」という表示をクリックして下さい。
http://www.kohara.ac/syllabus/2014/04/ryoshin.html
本日は、初回と小原克博先生の3回の内容のURLをお届けします。
今後、先生毎に8/15.9/15.10/15、11/15にお届けします
第1回「 導入」(小原克博・村田晃嗣・木原活信・内藤正典・位田隆一).
第2回「新島襄と良心──その生涯をたどる」(小原克博).
第3回「同志社と良心教育 ── 未来を展望するための原点」(小原克博)
第4回「総括 ── 切る力・つなぐ力としての良心」(小原克博)
2.『大西祝選集Ⅰ」哲学編 の目次と解説
岩波文庫 青N113-1 小阪国継編
●目 次
凡 例
倫理論文 良心起原論
緒 言
第一章 良心とは何ぞや
第二章 良心の起原
第三幸 倫理学上此論の価値
附録 良心作用の対境たる動機、意趣井行為
<哲学論文 省略しました>
第一章 良心とは何ぞや
良心と一種特殊の心識
路行く貧者あり、人なき露■に財嚢の遺しあるに気附きしと想像せよ。
諺に云う貧の盗み・・・・以下略
●解 説 小坂国継氏 p.519~
大西祝の「良心起原論」は明治23年頃に起草された。彼は元治元(1864)年の生まれであるから、満年齢で26歳の頃である。大西は明治14年、同志社の普通科を、同17年に神学科を卒業した後、翌18年に上京して東京大学予備門の編入試験を受け、特別に第三年に入学を許可された。同年九月に文科大学に進み、22年に卒業したのち、ひきつづき大学院の給費生になっている。
大学院における研究は倫理ないし道徳の原理の問題に傾注され、その修了論文として起稿されたのが「良心起原論」である。しかし、なぜかこの論文の提出は見合わされ、没後の明治37(1904)年に『大西博士全集』(警醒杜書店)の第五巷としてはじめて公刊された。最初の起草から14年後のことである。
<以下添付に掲載します>
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