同志社東京校友会

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年次会活動

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すみれ亭79回句会

2012年05月24日

幹事 打越 信貴

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5月句会は5月18日、新宿すみれ亭に16名出席し開催されました。
あいにく倦鳥主宰は旅行の為欠席でしたので、如何なる事かと心配でした。
「覆面合評会」方式で行いましたが、皆様の活発な意見と様々な見方が出て3時間の長時間も不足気味でした。お疲れ様でした。有難うございました。


特選(倦鳥主宰講評)
屋根よりも高きにありて棕櫚の花   西 風

俳句においては形を描写することが何より大切である。
が、形を描写するのみでは足りない。
それによって同時に生命が流れなくてはならない。
それには一読後風景が頭の中に広がらなければならない。
直接句が触れてなくとも、棕櫚の花房の象牙色、屋根瓦の鈍い灰色、その隙間を縫って見える隠れする紺碧の空の色を思い浮かべ、さらには屋根の高さを越すまですくすくと伸びた棕櫚の木の年数と、生命力にまで思いをいたして鑑賞することが本句では肝要である。

葉桜や身辺整理をはじめなむ     弓 人

桜の満開から散り始め、そして蕊桜となりやがて葉桜となるまでの時間の経過とその速さ。
それは人間の生きる時間を圧縮して象徴しているとも言えよう。純度を高めるには圧縮しかない。
そろそろ「身辺整理」をという潔さはかつて指摘した氏の古武士然とした潔さである。なにより下五の「なむ」は連用形の語尾に付き「強い意志の強調」である。
「キット整理ヲシヨウ」という、なみなみならぬ覚悟が漲っているのである。

解体の後の空き地に咲くすみれ    満紀子

誰かが断言したように、解体と建設のくり返しは人間の歴史。
とりわけ木造建築の多いわが国では、災害に遭遇しなくとも一定年数を経ると解いてしまう。
植物は偶然与えられた土地に花を咲かせて、不満なく一生を終える。

山吹の咲きたる野辺のつぼすみれこの春の雨に盛りなりけり 
(万葉集)

である。万葉時代から咲いていたすみれの花が、千年以上を経てつつましくしているのは何故か。平成の今の世まで脈々と続くものの哀れの風情

下校の子たんぽぽの絮吹きながら   しろう

西と東では、タンポポの花の色が異なるという。
地方を問わず、今では黄色の西洋タンポポが日本の国土を席巻してしまったが、いずれにしろ咲いた後は花が閉じ、小さな果実の白い冠毛ができておもいおもいに風にのって旅に出る。
子供の頃はよくそれを吹いて散らせた。
そんな牧歌的な登校が昔のこととなり、痛ましい事故が多いだけに、価値ある一句となり得るのである。
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「鳥兜」入選句 (信貴 選・評)

皆様の句を読むと各人の感性が違い夫々面白いのですがあえて
次の句を選ばせて貰いました。

鯉幟空の匂ひをたたみけり     倦 鳥

鯉幟が空の匂ひを捕り込むと言う、次元の違う広大な俳句の無限な可能性を感じさせる句とおもいます。
自分もこのような句を詠みたいとおもいますが?

幟なきわれ棲む街の閑けさよ    智 昭

最近は子供が少なくなり隣近所は老人ばかりの世帯が増えて、子供達の喜ぶ鯉幟はめっきり少なくなりました。
世相を反映し侘びしさを感じ、身につまされます。

保育園目刺しのごとき鯉幟       靖

これは叉、沢山の小さな鯉のぼりが空を遊泳して、子供達が喜ぶ様子が目に浮かび、昔我々の子供の頃が懐かしく思い出され共感しました。

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「次回お知らせ」
6月句会:6月15日(金)17:30~ すみれ亭
当番幹事:弓人   投句締め切り:6月8日(金)
鳥兜「兼題」:半夏生

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