同志社東京校友会

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幹事:奥山

第17回懇話会が、11月20日(水) 同志社大学東京セミナールームで23名の参加者のもと開催されました。
以下はその内容です。

1)講師:中川英男氏 『徳富蘆花について』
 蘆花の人となり、2度の同志社時代とそれが蘆花の人格形成に与えた影響、小説家(文学者)として世間に認められていく過程等についてのお話であった。

 蘆花は熊本南部水俣地方の総名主兼代官を拝命した家柄(苗字帯刀を許された武家の家柄)の7人兄弟(上か ら順に女子4人、兄の蘇峰、女子1人、本人)の末っ子として、1868年(明治元年)に生まれた。蘆花は二男であり自由に、悪くいえば気ままに育てられ た。これが少年期の蘆花の行動にも影響し、同志社に2度入学するも2度とも中途退学する等、二十歳くらいまでは生活が定まらず自暴自棄な荒れた生活を送っ ていた。同志社英学校再入学の時代には、山本久栄(山本覚馬の娘)との恋愛、破局を経験するが、久栄のことは一生、蘆花の心からは離れず、その後の蘆花の 行動、作品にも影響を与えている(早世した久栄の墓に2度も墓参、二人の恋愛を内容とした小説も書く)。

 同志社文学雑誌に寄稿した数々の名文作品、上京後における新聞・雑誌に発表した多くの翻訳文等によって 段々とその名が世間に知られるようになってきたが、小説家として蘆花の名を不動のものにした作品は「不如帰」である。蘇峰の主催する国民新聞に連載し好評 を博したのち、その後の単行本は明治期のロングセラーとなる。
 蘆花は語学が堪能であったため、トルストイの「戦争と平和」の英語版を若い時に読んで感激し、後にはロシ アのトルストイ宅まで訪問し、5日間滞在。トルストイの農本主義に共鳴し、自身も世田谷区粕谷の農地付き住居を購入して半農生活を始める(これが後に「蘆 花恒春園」公園となる)。

 蘆花の作品としては他に、「寄生木」、「ミミズのたわごと」、「自然と人生」、「思い出の記」、「黒い眼 と茶色の目」、「富士」などがある。「黒い眼と茶色の目」は上記でも触れたが、自分と山本久栄の恋愛を取り上げたもの、また「富士」は原田愛子と結婚して からの生活を綴った夫婦の日記である。


2)講師:久保茂一氏 
『同志社ラグビー 今シーズンの展望』
 ラグビーの起源・理念・魅力、同志社ラグビー栄光の歴史を振り返ったあと、永らく低迷を続けてきた母校ラグビー部であるが、今シーズンは大いに躍進が期待できる戦力の分析等について話していただいた。

 ラグビーの起源は1823年に、イングランドの「ラグビー校」という校名の学校でフットボールの試合中に、エリス少年がボールを抱えたままゴール目指して走り出したことによるといわれている。
 ラグビーの理念は「 one for all, all for one」と「ノーサイドの精神」である。またその魅力は格闘技的要素と知的なボールゲームの要素を兼ね備えた楽しさにある。

 大学ラグビー部の創部の歴史としては、1899慶応義塾、1910旧制三高に次いで1911同志社、 1918早稲田、1921東大、1922明治、1923青山学院と立教、1924中央大と法政、1928日大と続いている。1926年に日本ラグビーフッ トボール協会が発足した。

 全国大学ラグビー選手権の優勝回数では、第1位早稲田15回(うち日本選手権優勝4回)、第2位明治12回(同1回)、第3位関東学院
6回(同0回)に次いで同志社4回(同2回)となっている(帝京も4回…これは史上初の4連覇)。
 同志社ラグビー部としては、1960年に初めて関東の三強(早、慶、明)を破ったこと、1961年と 1963年にいずれも近鉄を破って日本選手権に優勝した頃が第1次黄金期。以後約15年間の低迷期を経て、再び輝き出したのが1979年(この年、大学選 手権準優勝)で、翌1980年に初の
大学日本一に、一年おいて1982年から1984年は大学選手権3連覇を達成し第2次黄金期を迎えた。また1976年から1985年の間、関西大学
リーグ戦で9連覇、関西リーグ戦で71連勝を達成している。

 伝統校の基本的戦法として、同志社は自由奔放なラグビー、早稲田は華麗な横の揺さぶり、明治は重戦車FWの縦の突進、慶応は魂のタックルがあげられる。
 同志社ラグビー隆盛期の監督:岡仁誌氏のモットーは、ラグビーとは「楽・苦・美」である。また氏は学生の 自主性を重んじて、型にとらわれない自由奔放で楽しめるラグビーを指導。全体練習時間は短く、あとは本人の自主的練習を重視した考えを貫いた。同志社ラグ ビーの基礎を築いた人としては他に星名秦氏、金野滋氏があげられる。

 今年の同志社ラグビーはそうとう期待できるのではないか。
 それは花園の全国高校ラグビーで優勝、大活躍した新人選手が多量に入部し、1年生に有望選手が多く揃っているため今後の伸び代が大いに期待できること、2、3年生も充実しているほか、昨年の悔しさを晴らすべく5回生(4人)も頑張っているチーム構成から予想される。
 全国大学ラグビー選手権で準決勝戦まで勝ち進み、正月2日の国立競技場での健闘を期待したいものである。           
                       (文責:H.O)

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