9月5日(月)、予てより40会同期生の中川淳氏が山岳写真で活躍していると聞いていたが、今回初めて同氏が出展している日本山岳写真協会展(於:富士フイルムフォトサロン)を同期の有志と観る機会を得た。
会場は日本のデザインを世界に広める拠点として、街のいたるところにアートの息づく東京ミッドタウンの一角である。
同氏の作品「秋の火口壁」は富士山の宝永火口を朝日に映える色調と空と大地のコントラスト、優美な火口壁の曲線で構成した素晴らしい出来栄えであった。
その他作品約180点を観て自然の造形美に圧倒され、これを捉える作者の優れたセンスと忍耐力には敬服した。
朝夕に燃える険しい岩肌、紺碧の空に浮かぶ優美な雲と雪原、色映える高嶺の花、全てが崇高な自然の厳しさと、優雅で、優しい姿をナイスショットで捉えていた。
私も学生時代には八ヶ岳を縦走したり、槍・穂高には登ったが、ついぞこの様な情景に感動した覚えない。
多少の達成感は感じたものの、酷い疲労感がその後の登山を遠ざけた。
こんなシーンに出会えるなら、多少の辛苦に耐えてでも…などと考えたものの、古希を迎えたこの鈍った身体では、もはや夢のまた夢であろう。
ただ山岳写真や映像で想いを馳せ、楽しむ他あるまい。山も自然も遠くなったものである。
退職後始めたという中川さんの意欲とセンスに敬服しつつ、末永いご活躍を祈るばかりである。
会場を後にして、中川氏を含め同期の仲間10名で、例の如く2次会に繰り出したのは言うまでもない。
最後に六本木の路上にてカレッジソングを歌って解散したが、何時になく上機嫌で帰宅した私を見て、細君は驚くことしきりであった。
(井角 憲三・記)
取材:小川
※日本山岳写真協会は1939年(昭和14年)発足、
2009年(平成21年)には創立70周年を迎えました。
山岳写真を主体とする広範囲な創作・研究活動を行い、
映像芸術・文化の向上に寄与し、合わせて会員相互の
親睦を図る目的で設立された、山岳写真作家集団です。
寄稿願った井角さんは、退職後絵画を嗜み、
キャリア2年足らずで、個展(2人展)を有楽町で
開催するなどチャレンジ精神旺盛。
話題に事欠かない「40会」の面々ではあります。
(T・O)