すみれ亭「新年句会」
時:2月1日(水)
於:豊島区目白庭園『赤鳥庵』
平成29年の新年句会は、目白庭園『赤鳥庵』で行われた。
目白庭園は、JR目白駅から歩いて僅か5分ほどの距離にあるが、
とても駅近くとは思えない静寂さの中にある。
庭園入り口「長屋門」をくぐると、そこはまさに別天地。
今日の句会会場となる『赤鳥庵』が正面にあり、その右には大きな池があり、
池を囲むように散歩道が設けられている。
丁度、梅の盛りで白梅、紅梅が見られた。
他にもロウバイ、寒椿、ボケ等も見ごろであった。
句会は、新幹事・中野浩さんの司会で進められた。
第1部は、倦鳥先生より出されていた兼題『新島忌』の句を
持ち寄り発表したが、次の3句が特選となった。
校祖とて酒酌みしかや七五三太の忌 豊嗣【特選1】
誇りたや良心と愛新島忌 晶子【特選2】
まごころや弐ドルの農夫新島忌 清龍【特選3】
第2部は、趣向を変えて『袋回し』によって、
各自が引き当てた「袋の中のお題」で作句するというものであった。
この部分は、倦鳥先生も公表しないようなので、
長くなりますがここに皆さんの句を発表しておきます。
【 】がお題です。
【ラブレター】焼いて迎ふる春立つ日 和代
風雲急【大樹】の陰で一休み 満紀子
トランプが【国境】にチャチャ春荒れる 豊嗣
【街】埋めるハロウィン仮装で車止め 晶子
春風や【日々】輝きて俳句の徒 西風
初恋の人と一緒に初【会話】 業平
霜柱踏み砕いての【散歩道】 浩
一冊でも多く読みたしわが【蔵書】 らうら
脳老化天眼鏡で【辞書】めくり 信貴
寄せ鍋を囲んで論ずる【文化】とは 河童
【詩】心のなき我作る五七五 靖
ひと【世代】経っても消えぬ悪い癖 倦鳥
【絵本】手に君と遊ぶやひなたぼこ 清龍
これで無事午前の部を終え、お昼は『金兵衛』の銀鱈弁当を頂いたが、
これまた実に美味かった。
食後は庭園を散策など思い思いに過ごし、午後の部に入った。
晶子さん初め女性陣による『お茶会』である。
今日の和代さんは和服で登場。
一枚ベストショットをご披露しましょう。
京都の干菓子とお抹茶は、緊張していた老頭脳を活性化するのに、
大いに貢献してくれたようである。
午後のボケた頭が活性化したところで、
倦鳥先生の『ディキンソンとアーモストの新島襄』の表題の下俳話が行われた。
丁度、新島襄がアーモスト大学で勉学していた時代(1864~1875年)に、
米国女流詩人・エミリー・ディキンソンは同じアーモストの町で生活をしていたのである。
ただ、彼女が詩人として有名になるのは、彼女の死後であったので、
新島襄が彼女を知っていたか。
ぼくはそう思いたいのだが、難しい気がする。
というのは、彼女はかなり重い引きこもり状態にあった、と伝えられているからである。
でも、祖父が大学創立者の1人であったというから、もしかすると会ったのかも知れない。
今回、倦鳥先生がこのテーマを選んだ理由は、
昨年連歌特集号出版の折彼女の『酔いどれ蜂公』の詩から
この名前を使わせてもらっていたからである。
内村鑑三も米詩人は英詩人よりも偉大だと言っているくらいだから、
ぼくらも米詩の理解をこの機会に深めていきたく思った次第である。
句会後は、いつもの通り近くの焼き鳥屋で打ち上げをして散会した。
充実した一日を過ごせ、今年もいいスタートが切れました。
諏訪河童記