同┃志┃社┃フ┃ァ┃ン┃レ┃ポ┃ー┃ト┃
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№72 2015/10/15発行
発行:「同志社ファンを増やす会」
多田直彦:hgf02421@doshisha-u.net
・・・・・・・<「同志社ファンを増やす会」モットー>・・・・・・・
新島襄と同志社をもっと知ろう
学べば、同志社の良さが見え,
母校に誇りと自信が持て,フアンになる。
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<ボストンツアーの報告>
新島を育てたニューイングランドでの「環境」と「人びと」
第1部 ニューイングランドので「環境」
人が育つのは、過ごした環境と影響を与えた人々が主なものであろう。
ボストンツアーの報告は、まずは「環境」から見ていく。
(前号)1.ボストンという都市
2.「ニューイングランド」について
3.キリスト教(会衆派)
新島襄は「キリスト教」に関係するエピソードが多い。
従って「キリスト教」は新島の思想形成に多大な影響を与えた「環境」であった。
しかし、単に「キリスト教」という大まかな捉え方では深耕できない。
新島が「キリスト教」と日常的に関わったのは、ニーイングランドの生活から
である。それはプロテスタントであり、その中の「会衆派」という教派の
「キリスト教」であった。
3-1.会衆派とは
会衆派教会の起源はイギリスの宗教改革にある。
国家に弾圧された人たちの一部が信仰の自由を求めて、アメリカ大陸に
渡った。それがピルグリム・ファーザーズである。彼らは一旦、
オランダに逃れ、そこからメイフラワー号でアメリカに渡っている。
彼らは会衆派教会を創り、ニューイングランドの支配的な教会となった。
また、会衆派の人々は子弟の教育に関心が強く、当初に創った学校は
後にハーバード大学、イェール大学、スミス大学、アーモスト大学、
オーバリン大学などに繋がっていく。
更に、信仰の深さから外国伝道に力を入れるために宣教団体
「アメリカン・ボード」を設立している。
会衆派教会の重要な特色は「各個教会の独立自治」にある。
その意味は、各個教会はいかなる信仰的・世俗的権威からも自由で、
ただ神の感化によって信仰と生活との規範を定め、実践すると言うこと
であり、いかなる教会的・教理的信条にも拘束されない自由を尊重する
と言うことである。
新島の「環境」であった「キリスト教」は、このようなものであった。
3-2.日本の会衆派
ここで日本における会衆派教会についても触れておく。
やはり、各個教会の独立自治が強い。日本では戦時下、プロテスタント
諸教派との合同することを指示され、組織としての会衆派教会(組合教会)
は存在しなくなった。
しかし、同志社系の教会を中心にその伝統は今も息づいている。
我々同志社人は、更に一歩「同志社のキリスト教主義」を探る必要があろう。
4.「同志社のキリスト教主義」とは
我々は物事の定義を知りたがる。辞書的、辞典的な単文の説明を読んで、
分かったつもりになり、安心することが多い。注意すべきは、定義を知る
だけで終わってしまい、真理を追い続けないことではいけない。
そのことは「同志社のキリスト教主義」のことだけではなく「良心」や
「良心教育」についても同じことが言える。
「敢えて定義づけをしない方が良い」と小原克博先生から教わった。
それ以来、「良心とは」というテーマを持ち続けており、時折、フッと
ヒントが浮かんでくる。分かったつもりにならないことで終身のテーマに
なり、関心を持続できそうである。
4-1 『One Purpose』から
同志社大学通信『One Purpose』の最新号184号に
<君は「キリスト教主義」を知っているか?>という特集がある。
そこにキリスト教文化センター所長・神学部の石川立教授の解説がある。
要約すれば、「同志社のキリスト教主義は、新島襄というひとりの日本人
から始まった。まず、この点が大きな特徴です。」「宗教は特別なこと
ではなく、生きるということと深く関わる、ものの見方や習慣です。
ですからキリスト教に触れ、キリスト教的なものの見方、考え方を知り、
より大きな視野で人生を豊かに送ってほしいと思います。」と結んで
おられた。
4-2 『同志社時報』から
また、『同志社時報』の最新号№140に同志社大学院神学研究科修了の
佐藤優氏が「同志社のキリスト教主義は人生にどう役立つか」という
講演録が載っている。
内容は深淵で要点を紹介することは憚れるが、ポイントを紹介する。
「慶応大学も早稲田大学も東京大学も、あれは総合大学じゃなくて
ポリテクニーク(専門学校)です。なぜか。神学部がないから。
キリスト教主義がないからです。
ここで重要なのはミッションスクールとキリスト教主義学校の違いです。
ミッションスクールはキリスト教を通じて日本を植民地にするための学校
です。だから教育の内容は全部詰め込み。
それに対してキリスト教主義大学は、別にキリスト教徒を増やすことが
目的じゃない。逆説です。そういう間接法でいったほうが、本物の
キリスト教徒が増えることがよく分かっているから。否定的でも肯定的でも
いいから、キリスト教にコミットメント(関与)する。
キリスト教に触れながら物事を見て、考えていく人をつくっていくことが、
私は同志社のキリスト教主義だと思うわけです。」
お二人の共通点は「キリスト教に触れて、そこから物事を見たり、
考えたりしていくこと」のようである。
4-3 『同志社広報』から
最後に、『同志社広報』№465のトップ記事に良心学センターの小原克博先生
がつぎのように言っておられる。
「その内実を問われると答えに窮する」ものとして「良心教育」と同じく
「キリスト教主義、自由主義、国際主義」がある。」と「キリスト教主義」
についても答えが難しいとのこと。
以上の3つの事例を見てきたが、何事も視点や立脚点の違いからいくつか
の解釈ができる。したがって、「同志社のキリスト教主義」について
唯一の正解は得られそうにない。
となると一つの的に向かって、力を集中して新島の志を達成すると言うこと
はできるのだろうか、と危惧する。
同志社関係者からの打開策をお聞かせいただきたい。
今号では、ニューイングランドで新島の一つの「環境」であった
「キリスト教」とそれに敷衍して「同志社のキリスト教主義」について
見てきた。
今回のボストン・ツアーでこのような情報や考え方に触れ得たことは
幸いである。先輩諸氏からのご指導をお待ちしています。
次回は、学校を中心に新島の「環境」を見ていきたい。
5.アメリカの大学
多様な高等教育機関とその名称から始める。
6.リベラル・アーツ
新島が学んだアーモスト大学は、その典型であるが、
その内容を探りたい。
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<予告>1.テレビ番組「新島襄 その心」のお知らせ
・10月24日(土) 夜8時~10時
・BS11 全国無料放送
・プロデューサー:寒河江正氏
(57年文学部卒、元TVKプロデューサー、グリークラブOB)
・主な出演者:能楽師今井氏をはじめ各分野のOB著名人が多数出演
■ストーリー
同志社の創立者、新島襄は幕末の1864年、激動する日本の将来を憂い、
国禁を犯して脱国し、約10年にわたってアメリカ、ヨーロッパで学び、
キリスト教の準宣教師の資格を得て帰国する。
そして、国内外の多くの人々から支援を得た新島襄は1875年11月29日、
京都の地に同志社大学の前身となる同志社英学校を設立する。
それから140年。新島襄の志に共感し、一国の良心たらんと決意した者
が同志社に集い、学び、そして同志社人としての自覚と誇りを胸に社会
へと出て行く。
新島襄は何を志したのか。
今や30万人を超える卒業生は、どのようにして新島襄の志を実現しよう
としているのか。その足跡を追うことは、広く「官学」に対する「私学」
の存在意義や使命を問うことにつながるに違いない。
今こそ新島襄が生きた時代を振り返り、なぜ新島襄は私学の創立を目指
したのか、そして私学はどのような人材を輩出してきたのかを追い、
大学教育のあり方と、その中で私学が担う大きな役割を明らかにしたい
と思う。
<予告>2.「プロフェッショナル 仕事の流儀」
「常識の外に、未来はある」 起業家 増田宗昭
増田氏はカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社会長、
株式会社TSUTAYA社長
同志社香里高校、昭和48年同志社大学経済学部卒業
・10月19日(月曜日)NHK総合 午後10時~10時48分
以上