NO.64 2015/06/15 発行
発行:「同志社ファンを増やす会」
多田直彦:hgf02421@doshisha-u.net
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<「同志社ファンを増やす会」モットー>
新島襄と同志社をもっと知ろう
更に学べば、同志社の良さが見え
そして、母校に誇りと自信が持てる
<目次>
<論文>
1.連載「カレッジソングについて」(下)
児玉実英先生は、アメリカ文学、比較文学がご専門。同志社のカレッジソングと同じメロディーであるイエール大学のカレッジソングとアーモスト大学の「カレッジ・ソング」について比較、説明され、同志社のカレッジソングを評価された。
とても興味深い内容です。
なお、今回、全文を見直され、前号の(上)についても少し加筆がありましたので、全文を再度、添付しました。
<案内>・・・詳細は後述
1.北垣宗治名誉教授とニューイングランドに新島襄の足跡を訪ねる旅
・とき:9月10日~17日の8日間
2.映像で学ぶ「同志社基礎講座」in TOKYO HUB
テーマ:『キリスト教の基礎』全三回
・とき:7月7日(火),7月14日(火),7月21日(火)
<次号予告>
論文 同志社大学名誉教授 井上勝也
「新島七五三太は何故国禁を犯して密航を企てたのか」
「本論文は『新島研究』第106号(2015年 同志社大学同志社社史資料センター)に掲載された井上勝也先生の論文を関係者の許可を得て転載したものです。」
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「同志社カレッジソングについて」(下)
兒玉 實英
4.イエール大学のカレッジソングについて
同志社のカレッジソングと同じメロディーで歌われているイエール大学のカレッジソングを見てみましょう。
1881年卒業のH.S.デュランドの作詩、カール・ヴィルヘルムの作曲です。
Bright College Years
Henry Durand'81 , Carl Wilhelm
Bright College years, with pleasure rife,
The shortest, gladdest years of life;
How swiftly are ye gliding by!
Oh, why doth time so quickly fly?
この詩は、まず楽しみに満ちた学生時代が速く過ぎ去っていくのを嘆いています。一行目の“rife”は「満ちている」といった意味の形容詞。ふつうは叙述的に補語として使われるのですが、ここでは、名詞の修飾語として使われています。韻をあわすため、やや無理な使い方をしています。その他の韻も、特に意味なく、適当に合わせているだ
けです。
それに比べて同志社のカレッジソングは内容的にも、ずーっと高尚ですが、その上、韻も縁語や関連語を使って韻をふませています。例えば、nameとaim, sons of thine とvine, anewとtrue, peaceとincreaseなど。インターナルライムとしては、nameとfameなど。これは、かなり高度な技法です。また、頭韻も使っています。worldのwとwanderやwideのwなど。これも縁語です。
イエールの校歌に戻ります。
次の4行では、どんな時の経過や変化もイエールで培われた友情のきずなは、断ち切られることがないだろうといいます。
The seasons come, the seasons go,
The earth is green or white with snow,
But time and change shall naught avail
To break the friendships formed at Yale.
ここでは誰に語っているか。それは卒業を前にしたイエールの学生たち、にです。
しかし、最初の四行では、“years”に語りかけています。語りかけているものが突然変わっています。不安定な構造です。素人がよくやることです。また、同じ内容をありふれた表現で繰り返しています。季節が変化することを緑や白でいいなおし、イメージは分かりやすいが、くどくて陳腐です。M.H.エイブラムズの『文学用語辞典』の中でも嘲笑されていますが、たしかにこれは初心者的な作詩です。イエールの関係者には申し訳ないが、(実は私もイエールの大学院に客員研究員として延べ二年いましたので、残念でもありますが)イエールの校歌は、ヴォーリスの同志社の校歌より、詩的レベルはかなり落ちます。もっともイエールの学問的レベルは非常に高いですが。
5.アーモスト大学「カレッジ・ソング」
“LORD JEFFERY AMHERST”をアーモスト大学「カレッジ・ソング」と呼んでおります。“Oh Lord Jeffery Amherst was a soldier of the king・・・”と元気の良いリズム感のある曲です。その中にアーモスト卿が「目に入る敵は、すべて片付け、もう他にはおらぬかと、あたりをぐるりと見回した」という歌詞があります。勝ち誇った勇姿を面白く、楽しげに描いています。また、アーモスト卿がアメリカの荒野で「何一つしなかった」と言っている箇所がありますが、これも「大活躍した」ことをひっくり返して言っているわけで、ニューイングランド・ヤンキーらしいユーモアですね。
なお、ジェフリー・アーモスト卿は「フレンチ・アンド・インデアン戦争」のとき、イギリスがアメリカに派遣した名将で、その名を取った町がアーモスト・タウン。そこに建てられたのがアーモスト大学です。この詩の第二連でハーヴァードやイエールをチクリとやるところもあり、「若書き」という印象をもちますが、ジェフリー卿の忠誠心や勇気、名声を一貫して称え、韻も上手に揃えていますし、「ラン・オン・ライン」もなく、うまく整えられています。まずまずといった出来映えの詩です。
6.最後に
3つのカレッジソングを比較すると歴然としてきますね。同志社のカレッジソングは内容も高尚で気品があり、形や表現方法も技巧的に、際だって優れています。文体も力強く、曲に良くあっています。大いに誇りにして良い作品です。(おわり)
これは2015年3月27日、東京新島研究会での児玉實英先生のご講演内容を多田が記録し、それに加筆・修正戴いたものです。
児玉 実英先生の略歴(こだま さねひで 児玉 實英)
1932年12月14日生。アメリカ文学、比較文学者。同志社女子大学名誉教授。
1955年に同志社大学英文学科卒、1956年に同大学院中退して、新島奨学金およびフルブライト奨学金を得てアーモスト大学に留学。1958年同英文科卒業。1959年ワシントン州立大学修士課程修了。
1960年同志社女子大学助手。その後、専任講師、助教授を歴任し、1970年に同大学教授。1984年「アメリカ詩と日本文化」により同志社大文学博士。1993年同志社女子大学長。2001年に広島女学院大学教授。2009年春の叙勲で瑞宝中綬章を受章。
<著 書>
『アメリカのジャポニズム -美術・工芸を超えた日本志向』中公新書, 1995
『石中火あり 同志社とわたしと英文学』オリオン出版社, 2000
『アメリカの詩』英宝社, 2005 など。
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<ご案内> 新島襄の足跡を訪ねる旅/映像で学ぶ「同志社基礎講座」
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1.北垣宗治名誉教授とニューイングランドに新島襄の足跡を訪ねる旅
この度、北垣先生が標記の旅を下記の通りご計画され、先生自身がご案内いただけるという旅の案内がが届きました。
このような機会は、滅多となく、最後かと思われますので、ご参加をお勧めします。ご参加の方は折り返し、ご返事をお願いいたします。
多田 直彦
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9月10日~17日の8日間、ボストンとその近郊、およびアーモストの、新島先生ゆかりの地を訪問する計画を立てました。ボストンの旧ハーディー家、旧アメリカン・ボード本部、旧海員ホームをはじめ、アンドーヴァー(フィリップス・アカデミー、旧ヒドン家)、セーラム(ピーボディ博物館)、チャタム(途中プリマスに立ち寄る。テイラー船長の旧実家)、アーモスト(大学、旧シーリー邸、W. S. クラークの墓)を訪問します。1日自由見学の日を設けますので、ボストン美術館や近郊のニュートン、リンカン(フリントの実家や墓)、ド―チェスター(ベイカー夫人)、レキシントン(ハンコック教会)等を訪れることができます。
ボランティアとして、私が案内役を務める予定です。10年前に同様のツアーを計画して成功した、トップツアーという旅行社に旅行プランをお願いしています。
人数は30人を限度とし、6月末に締切ります。既に20人ほどが参加の意思を表明しておられます。もしご興味があれば、どうぞご参加下さい。なお、費用は31万円です。
北垣宗治
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< 講座のお知らせ >
主催:同志社ファンを増やす会
映像で学ぶ「同志社基礎講座」in TOKYO HUB
テーマ:『キリスト教の基礎』全三回
① 7月 7日(火)13:00-16:00
(1):運命を切り開く力ー脱出と解放の系譜
(2):愛とは何か
②7月14日(火)13:00-16:00
(3):キリスト教の歴史的展開──世界史の中で
(4):キリスト教の歴史的展開──日本史の中で
/野本真也・元同志社¬理事長に聞く
③7月21日(火)13:00-16:00
(5):キリスト教と文化
(6):21世紀における宗教の役割/本井康博元教授に聞く
*この授業は、神学部小原克博先生の正規のインターネット授業の映像を見て、参加同士の情報交換して学びます。
・会 場:同志社東京オフィス
東京都中央区 京橋2丁目7番19号 03-6228-7260
・受講料:1回 500円(会場費とレジュメ代)受講日にお納めください。
・申込み:予約不要 当日の12:30受付にて。
但し、資料準備のため事前にeメール又はハガキでご連絡戴ければ幸いです。
ハガキ:〒279-0012浦安市入船6-2-503 同志社ファンを増やす会
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「学ぶとは、もの知りになることではなくそれによって自分が変わることである」
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