同志社東京校友会

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同志社ファンを増やす会

第62号・平成27(2015)年5月15日
同志社ファンを増やす会 発行
<「同志社ファンを増やす会」モットー>
hgf02421@doshisha-u.net
新島襄と同志社についてもっと知ろう
深く学べば、母校の良さが見え、同志社ファンになる。

 

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62号・全部・「同志社ファン・レポート」【PDF:373KB】

「建学の精神とキリスト教」最終回「キリスト教と同志社に展望」【PDF:270KB】
理事長ご講演新島の教育思想の構成要素【PDF:303KB

 

<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

1. 特別インタビュー: 同志社大学神学部教授(当時) 本井康博先生
連載「建学の精神とキリスト教」の最終回に当たり、新島襄や同志社についての大御所から重要なポイントをお話いただいた。感動する内容でした。
<インタビューの要旨は多田が作り、本井先生に手を入れていただきました。>
2.連載「建学の精神とキリスト教」の最終回 キリスト教の基礎(6)
まとめとして、「21世紀における宗教の役割」について語られ、最終回にふさわしい内容でした。

3.連載:水谷理事長ご講演記録「志の中で」から
(7)新島の教育思想
その1・信頼に満ちた人間関係
(8)その2・私立の学校
(9)その3・キリスト教(新島を育んだキリスト教)

新島襄の教育思想について、この3点から分かりやすくお話しいただいた。


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<本 文>
特別インタビュー: 同志社大学神学部教授(当時) 本井康博先生

今回は、「建学の精神とキリスト教」の第14回・最終回ということで新島襄の大御所中の大御所の本井康博先生をお招きし、締めに相応しいお言葉を頂きたいと考えました。
ご存じのように「同志社科目」のテキスト『新島襄と建学精神』を書かれた先生です。

 

(質問者は小原克博先生)

 

Q.本井先生にとって、新島襄の魅力はどこにあると思っておられますか?

A.一言で言いますと、新島襄は私の「人生のモデル」です。新島襄は同志社を創った教育者として知られていますが、もう一つ別の面、宗教者としての側面があります。組合教会の指導者であるばかりか、同志社教会の創業者(初代牧師)である点が、抜け落ちがちです。
私は、たまたま学園と教会の両方に関わっています。平日は同志社大学で新島襄・同志社史を教えながら新島研究に従事し、日曜日は同志社教会で礼拝を守っていますから、日曜日から日曜日まで、新島襄づくしです。だから新島は私にとって、キリスト教学校の教師として、また、クリスチャンとしての良きモデルです。この魅力は、世界で新島だけがもつ特性です。

 

Q.新島襄の志や、彼が目指したキリスト教の理念は、現在の日本のキリスト教には、どのような影響を及ぼしているでしょうか?

A.彼の影響や痕跡は、キリスト教世界にしろ、日本社会にしろ、表面的にはなかなか目立たないですね。

新島が目指したものは、「自由教育、自治教会、両者併行、国家万歳」です。
「自由教育」の場としては、同志社大学を始めとするキリスト教学園。
「自治教会」のステージとしては、同志社教会をはじめとする組合教会。

主としてこれら二つのフィールドで、なによりも「精神的な近代化」を図ろうとしました。
しかし、日本は目に見える形での近代化は進みましたが、目に見えない精神的な近代化のほうは、残念ながら一歩も二歩も遅れています。今に至る迄、新島が目指したことの何分の一しか達成できていないでしょう。これからです。

現代でもまだ、時代に先駆けて高い理想を掲げてきた新島に追いつけていません。19世紀の人間である新島から、21世紀の私たちが学ばねばならないことは、ものすごくいっぱいあります。

 

Q.この同志社科目「建学の精神とキリスト教」を通じて本井先生は、学生に何を学んで欲しいと思われますか?

A.ややオーバーに言いますと、新島になり代わって、彼が言いたいことを今の学生さんに取り次ぎたいと願っています。新島の発言や主張を現代風にアレンジしたり、現代語に「翻訳」するなりして、新島の「語り部」よろしく、新島そのひとの思想(信仰)や足跡を語り継ぐことを心がけています。その際、気をつけている点は、新島襄をべたほめしたり、高尚な事例だけでなく、人間性やマイナス面も話すようにしています。そのほうが、学生さんには新島の魅力がよく伝わります。

新島の人間味あふれる挿話や、弱点を含めると、偉人視された「新島先生」との距離が意外に近いことを実感し、新島をトータルで受容してくれます。その結果、授業に参加することが、新島襄の人間的魅力や独自性、あるいは同志社の特性や伝統の深さを再発見するチャンスになっています。

そう言う意味では、「同志社科目」の効果は絶大で、今後も充実していかねばと思っています。現に、4回生の中には、「同志社創立者の志や独自性、ならびに同志社の建学精神の特異性を初めて学習できました。これで、自信と誇りをもって卒業して行けます!」と言ってくれる者がいます。「同志社科目」は、他の大学ではまず学べない独自な科目ですから、今後とも「同志社人」の育成に役立つ授業であらねば、と思っています。

 

Q.新島が1890年、若くして亡くなられましたが、先生があと10年生きていたとしたらどうだったでしょうか?

A.新島襄の後を継いだ小崎弘道、横井時雄の時代に、同志社はミッション(アメリカン・ボード)と衝突し、関係が悪くなりました。その結果、いくつかの同志社系の学校がつぶれました。もし、新島襄が生きておれば、彼が立てた病院や看護学校も存続し、医学部(医学校)が発足していたかもしれませんね。
あるいは、同志社大学も、1912年以前に実現していた可能性もあります。
しかし、一方で、新島は良いときに死んだと思います。亡くなってから、すぐにキリスト教への逆風が吹き始めましたから。場合によっては、内村鑑三のように、「不敬事件」めいた何らかの「迫害」に遭遇したかもしれません。

新島襄の力をもってしても、社会的な逆流を押し戻すことは、できなかったでしょうね。ですが、「敢えて風雪を侵して」進む新島のことですから、たとえ小さくても、新しい展開があったのでは、と期待したいです。

 

A、ありがとうございました。

 

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2.連載「建学の精神とキリスト教」の最終回 キリスト教の基礎(6)

第14回(最終回)「建学の精神とキリスト教」
「キリスト教と同志社に展望」
- 21世紀の展開 宗教がどう変わっていくのか? -


授業は下記より受講下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=xREQZdPWXM8

 

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3.連載:水谷理事長ご講演記録「志の中で」から
(7).新島の教育思想の構成要素
その1・信頼に満ちた人間関係
(8).その2・私立の学校
(9) その3・キリスト教(新島を育んだキリスト教)
(次号の6/1号につづく)

 

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<予告>
主催:同志社ファンを増やす会
映像で学ぶ「同志社基礎講座」in TOKYO HUB
テーマ:『キリスト教の基礎』全三回
2015年7月7日、14日、21日 火曜日13:00-16:00
於、同志社東京オフィス
東京都中央区 京橋2丁目7番19号
03-6228-7260

 

同志社を理解するには、どうしても「キリスト教」を理解せねばならないでしょう。しかし、「キリスト教」を学ぶ機会も少なく、信頼できる先生に出くわすことも難しいのが現実です。
幸い、同志社大学の神学部の小原克博先生がその講義をインターネットで公開しておられます。それを同じ卒業生が集まって同志社大学東京オフィスで学ぼうという企画です。

 

・受講料:500円(会場費とレジュメ代)受講日にお納めください。
・申込み:予約不要 初日の7月7日(火)12:30受付にて。
但し、資料準備のため事前にeメール又はハガキでご連絡戴ければ幸いです。
ハガキ:〒279-0012浦安市入船6-2-503 同志社ファンを増やす会

 

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「学ぶとはもの知りになることではなく
それによって自分が変わることである」

多田直彦
hgf02421@doshisha-u.net
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