すみれ亭 句会

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すみれ亭 『新年吟行句会』

すみれ亭句会 『新年吟行句会』

 

日時:令和2年2月10日(月)
場所:大磯鴫立庵

 

3年ほど前にこの同じ大磯で吟行句会を開いたことがある。
その頃は、会員も15人ほど参加し大変賑やかであった。
今回は家族の面倒を見る等種々の事情で出られない会員があったので、
参加は11名であった。
しかし、皆元気に予定時刻には大磯駅に集合した。
まずは駅前で1枚パチリ。

 

 

当初予定した島崎藤村旧宅は月曜日で休館とのことで、
急遽予定変更して藤村のお墓のある地福寺をお参りした。
境内には丁度梅がほころび、小さい春を思わせる墓参ができた。

 

 

国道へ出ると直ぐに我が校祖新島襄の終焉の碑をお参りすることができた。

 

 

ここからバスに乗って、城山公園の方へ向かう。
そこには、戦後の裁相吉田茂の旧宅がある。
月曜日のため建物には入れなかったが、庭内は廻ることができた。
春霞の彼方には、伊豆半島、箱根の山々、大島が眺望できた。
この景色を見る吉田茂の銅像はどこを見つめているのであろうか。

 

 

この後、バスで鴫立庵方面に戻り地元で教えてもらった「さぬきうどん讃州」で昼食をした。
昼食をとりながら倦鳥先生より角川源義『西行の日』の句を書いた栞が配られ、
これから伺う『鴫立庵』の西行に思いを馳せたことでした。

 

花あれば西行の日とおもふべし   源義

 

大淀三千風が作ったといわれる「鴫立庵」。
国道沿いにあるとはいえ、一歩その境内に入ると、早、西行モードである。

 

心なき身にもあはれは知られけり
鴫立澤の秋の夕暮れ    西行

 

庭には、西行ゆかりの銅像や銀の猫碑等があり、右手には古色蒼然たる庵がある。
今日の句会場所である。
今日は10名と少なかったので、奥の小さい部屋が用意されていた。

 

 

 

兼題は「大磯等」である。皆思い思いの句を投句し、その結果は次の通りであった。

 

     特3 湘南の潮香に包まる梅二月       靖

     特2 大磯の潮風やさし梅香る        らうら

     入1 佐保姫と庵門くぐり砂利踏みて     西風

     特1 再訪の鴫立庵や風ぬくし        和代

        焼け跡に白足袋葉巻堂々と       清龍

     入2 潮の音幾重に香る西行忌        晶子

        春障子小鳥の影と思いけり       倦鳥

        ワンマンの眼差(まなざし)の先春の海 豊嗣

     入3 春近し偉人あまたの吉田邸       浩

        大磯や西行御座(おはす)か風二月   黄雀

        梅の香とパイプの煙のワンマン庭    河童

 

倦鳥先生より句への講評があり、また、参加者それぞれの思いも喋られ、

外の寒さを忘れさす賑やかさであった。

 

 

句会も無事終わり、靖さんご紹介の藤沢「木曽路」で打ち上げ。
今日一日の楽しい思い出を胸に家路に向かいました。
(文責:諏訪順一)