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【ラグビー部】準々決勝は帝京大に完敗【大学選手権】
大学ラグビー選手権準々決勝 「帝京大に完敗」
FW平均体重は帝京の109㎏に対し同志社は97㎏、体重差100㎏のスクラムが心配されたが、
同志社は固いパックで帝京の圧力を凌ぎ、逆に力任せに組もうとする帝京の反則を何度か誘うことに成功した。
一方、BKは果敢にオープンに展開したり、ハイパントやキックパスで前進を試みたりと、
多彩な攻撃で帝京ゴールに度々迫り、前半20分頃までは互角の戦いだったように思う。
しかし、惜しいところでミスや反則が出て得点にまで至らず、その後はフィットネスに勝る帝京が
同志社の攻撃を着実に止め、逆に、同志社の果敢なタックルを受けながらも
複数いるフォロワーにボールをつないで次々にトライを重ね、終わってみれば0対50の完敗となった。
完封負けは悔しいが、あれだけの得点差がありながらも、帝京が最後まで全力で同志社のトライを阻止したのは立派。
帝京がどのような練習を繰り返してきたか、監督コーチからどのような指導を受けてきたか、
又、関東対抗戦グループで勝ち残るのがどれくらい厳しく難しいことなのかが窺える帝京の戦いぶりだった。
さて、実力差が明らかとなったが、同志社にも収穫はあった。
昨シーズンの大学チャンピオンで、今シーズンも明治、早稲田、慶應義塾、筑波を降している
帝京のパワーとスピードを同志社のルーキー3選手が体感できたことだ。
ラグビーには「縦のライン」と呼ばれる重要なポジションがある。
背番号2番のフッカー、8番のナンバーエイト、9番のスクラムハーフ、10番のスタンドオフ、
そして15番のフルバックは専門職とも言われるが、ゲームを左右する判断力や技能、
センスが求められる重要なポジションだ。
帝京との試合には、2番フッカーに長島幸汰君、8番ナンバーエイトに林 慶音君、
10番スタンドオフに大島泰真君のルーキー3選手が起用されている。
いずれも優秀で真面目なプレーヤーだが、FWの長島君や林君には帝京との対戦を通し、
「ここを強化しないとFW戦で勝てない」と感じた局面があったように思うし、
10番スタンドオフの大島君はボールを受けた瞬間に、
どれほど早く帝京がディフェンスの間合いを詰めていたかに驚いたかも知れない。
そういう発見や驚きを田辺グランドに持ち帰り、他の部員に伝え共有することで新たな意識が芽生え、
具体的な目標が定まるように思う。
同志社ラグビーは時に自由奔放と言われるが、実は、選手の特性を限りなく生かそうとする柔軟な発想と、
それらを上手く組み合せて新しいプレーを試みるという合理性を持ち合わせている。
結果として、過去の実績に拘らず、積極的に変化することを厭わない文化と伝統を受け継いできたように思う。
来シーズンの同志社がどのように変化しているかを楽しみにしたい。
文責/同志社ラグビークラブ東京支部長 出石賢司 〔1978年(昭和53年)経済学部卒〕
写真/新田博伸〔1977年(昭和52年)法学部卒、カメラクラブOB〕